東京都生活安全条例制定に反対!
全国自治体の3分の1以上で制定されている「生活安全条例」。千代田区の路上禁煙条例などで有名になったこの条例は、制定過程から警察が積極的に関与し、自治体と警察、地域住民が一体となって「安全」を確保していこうというものです。
こうした中から、少しでも不審な人物は地域から洗い出していくという排除指向や、監視カメラの設置など管理の強化傾向が強まることが懸念されます。
2003年6月24日から開催された東京都議会第2回定例会で「東京都安全・安心まちづくり条例」が制定されました。私たちはこれに対する取り組みを行いました。
6月14日には「生活安全条例」と「監視社会」の現在を、東京・新宿の日本キリスト教会館で30名ほどの参加を得て開催しました。「生活安全条例」の問題点を清水雅彦さん(和光大学)から、歌舞伎町の監視カメラ問題について吉村英二さん(日本消費者連盟)に提起していただきました。
6月30日には都庁前で朝ビラ撒き、7月3日の警察・消防委員会の傍聴、4日委員会の採決時に昼ビラ撒き・傍聴、9日本会議での採決時に昼ビラ撒き・傍聴を賛同する多くの方の協力を得て行いました。
条例は共産党や生活者ネットなどの反対の他、圧倒的多数で制定されてしまいましたが、今後ともこうした動向には目を配っていきたいと考えます。
資料:東京都安全・安心まちづくり条例 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/ansin/anzen.htm
6月24日から始まっている東京都議会第2回定例会で、「東京都安全・安心まちづくり条例案」が制定されようとしています。私たちは、これに反対を呼びかけます。
この条例案は、全国の約3分の1以上、1400近くの市区町村で制定されている生活安全条例の、都道府県版となります。都道府県ではまだ3県しか制定されていていませんが、首都である東京都で制定されることは、全国に大きな影響を与えると言えます。2期目の石原慎太郎都知事は、その公約の柱に、治安対策の強化を掲げています。メディアでも大きく報道された、現職の広島県警本部長を副知事に登用、1000人規模の都職員を警視庁に派遣する構想、不足する留置場問題への対応などがその具体的な中身です。この条例案も、その流れの中で出てきたものですが、どんな問題点があるのでしょうか?
そもそも生活安全条例は、地域で警察と住民とが緊密に連携する中で、生活の安全と安心を確保していこうというものです。その中身は多岐にわたっていて、有名になった千代田区の路上禁煙規定も、この生活安全条例の中の一つの条項にすぎません。監視カメラの設置規定が盛り込まれているものも多くあります。こうした個人の自由に関わる規定の他、例えば、千代田区のチラシの散乱禁止規定や武蔵野市のつきまとい勧誘行為禁止規定などをみると、宣伝活動や労働争議行為などを禁止することにもなりかねません。昨年6月の都議会に警視庁が提出した迷惑防止条例改悪案は、当初「職場、学校、地域社会における関係、売買、雇用、貸借などの契約関係または交通
事故等の不法行為関係に起因する」つきまとい行為を規制すると明言されていました。運動つぶしにもつながりかねないこの条項は、広範な反対運動によって削除されました。今回の条例案は、より広く受け入れられるような形を取った、治安弾圧体制作りの一環とも言えるのではないでしょうか。
東京都安全・安心まちづくり有識者懇談会が、都条例案作成に先立って本年3月に発表した、東京都安全・安心まちづくりについての報告書では、「この10年間で犯罪が増加している」「体感治安が低下しており、これを回復する」ために条例を制定する必要があるとしています。長引く不況や、そこから起きる倒産、失業、リストラ、雇用の流動化など社会を不安定にする要因は増えています。結果
として、統計上犯罪が増えているかもしれません。しかしそれは治安の強化によって乗り切るべき問題ではなく、その原因をこそなんとかしなければなりません。「安全の確保」は、民衆にとっての、というよりも、警察や都にとっての、という意味が大きいのではないでしょうか。また、「体感治安」なる概念も、とても曖昧で、わざわざ条例を制定しなければならない理由にはなりません。むしろ、「今の社会は危なくなってきましたね、安全な方がいいですね、ではこうした方がいいですよ」と、民衆の同意を取り付けるために、持ち出されてきた概念だと言えます。
では、具体的に都条例案とはどのようなものなのでしょうか? 全体で24条からなり、総則、都民等による犯罪防止のための自主的な活動の促進、住宅の防犯性の向上、道路・公園等の防犯性の向上、商業施設などの防犯性の向上、学校等における児童等の安全の確保等、雑則に分かれ、警察と区市町村、都民が連携して安全・安心まちづくりを推進することが提起されています。3日の委員会での審議でも、東京都主体というよりも、警視庁主導の形になることが明らかにされました。その上で、「犯罪の防止に考慮した構造、設備などを有する」建造物の普及ということで、監視カメラの設置を奨励、民間パトロール隊の組織化が進められるでしょう。「罰則規定がないのは都民の自発性を尊重するため」と説明していましたが、「安全・安心まちづくりについて、理解を深め、協力することが都民の責務」とされ、それに異を唱えたり、最初から地域社会から除外されている人々をさらに排除していくことになりかねません。住民の相互監視が浸透し、戦中の隣組の再来のような、息苦しい社会がやってこないとも限りません。
有事法制が今国会で成立し、戦争のできる国家体制が整備されていく中で、生活安全条例を通
じて組織された町会・自治会などが、戦争時には民間防衛組織に早変わりするかもしれません。
私たちは、「安全の確保」の名の下に、警察の権限を強め、住民動員を奨励し、監視と管理を強めていく、この東京都条例に反対します。7月4日には警察・消防委員会で、賛成11反対1の多数で採決されてしまいました。9日には本会議での採決が予定されています。多くの人に注目して欲しいと思います。
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